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【東京大賞典】ウチパク、ケンタッキーの金星導いた!

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【東京大賞典】ウチパク、ケンタッキーの金星導いた!

 第62回東京大賞典(国際GI、3歳以上オープン、選定馬、定量、ダート・右2000メートル、14頭立て、1着賞金=8000万円)内田博幸騎乗で5番人気のアポロケンタッキー(JRA)が、直線入り口で先頭に立ち、人気2頭を振り切って快勝。年末の大一番で、GI初制覇を成し遂げた。管理する山内研二調教師は12年ぶりのGI制覇。タイム2分5秒8(重)。1馬身半差の2着が1番人気アウォーディーで、クビ差の3着がサウンドトゥルーだった。

 かつての地元で、ベテランがその手腕を見せつけた。GI馬6頭を相手に金星を挙げたのは、5番人気のアポロケンタッキー。初めてコンビを組んだ内田騎手が積極的なレース運びで実績上位馬を完璧にねじ伏せ、ダート界の新王者に輝いた。

 「戻ってきました! (騎手生活を)大井からスタートして、この地があったからこそ、今の自分があると思っています」

 1989年にデビューしたのがこの大井。2008年にJRAに移籍するまで在籍した地で、詰めかけた約3万人の観衆に感謝を込めて頭を下げた。レースはコパノリッキーが逃げて、前半の5ハロン通過が64秒8のスローペース。楽に3番手を進んだケンタッキーだったが、名手は豊富なスタミナと大井の馬場適性を見抜いていた。

 「周りは強い馬ばかり。でも、持久力はすごくあるので、負けてもいいと思って、早めに先頭に立ちました。返し馬で特に大井(のダート)はすごく合うと感じたので」

 その眼力に狂いはなかった。直線は人気2頭の間から力強く抜け出し、ゴールを目がけてまっしぐら。身上の持久力をフルに生かして、2着アウォーディーに1馬身半差をつける完勝だった。

 「これからますます力をつけて、タイトルを獲っていくと思う。僕も46歳だけど、体は20代に負けていないですからね」と鞍上は自身のスタミナにも笑顔で胸を張った。

 管理する山内研二調教師(67)は、04年のダービーグランプリ(パーソナルラッシュ)以来のGI制覇。「デキはこの前よりも良かったが、勝つとは思っていなかった」と目を丸くする。「結果的に前にいけたのがよかった。やっぱりここ(大井)は乗り慣れた人じゃないとね」と鞍上の手腕を称賛した。

 この後は休養に入るが「ドバイに呼ばれれば考える」とトレーナーは海外遠征も視野に入れる。成長を続け、565キロの巨漢ダート王となったアポロケンタッキー。明け5歳の来年も、さらにパワーアップしてダート界をリードしていく。 (片岡良典)

★最優秀ダートホースは?

 伏兵アポロケンタッキーが初タイトルを獲得したことで、JRA賞の最優秀ダートホースの行方は混とんとしてきた。今年の実績は交流GI3勝のコパノリッキーが断然だが、同馬は終盤3走がすべて5着以下と案外な結果。これに対してサウンドトゥルーは今年のGI5走で(2)(3)(3)(1)(3)着と安定し、アウォーディーもGIで(1)(2)(2)着と秋後半を盛り上げた。今年のJRA賞は年度代表馬も含め、複数の部門で票が割れそうだ。

★表彰式に剛力彩芽、斎藤工登場!

 第62回東京大賞典(国際GI、3歳以上オープン、選定馬、定量、ダート・右2000メートル、14頭立て、1着賞金=8000万円)俳優、斎藤工(35)と女優、剛力彩芽(24)が29日、東京大賞典の表彰式プレゼンターとして登場した。

 東京シティ競馬(TCK)のイメージキャラクターの2人は、2年続いたCMの裏話や来場の感想を披露。斎藤は「(ファンの多さに)今日はここ2年で一番の密度と熱気を感じます。この時期をみなさんと過ごせて感慨深いです」と話し、剛力も「ファンの皆さんが盛り上がる瞬間がカッコイイ。これからも競馬ファンとして応援します」とコメントして表彰式に花を添えた。

★単勝1・6倍も…アウォーディーまさか2着

 第62回東京大賞典(国際GI、3歳以上オープン、選定馬、定量、ダート・右2000メートル、14頭立て、1着賞金=8000万円)単勝1・6倍の1番人気に推されたアウォーディーは、スタートから2番手に控え、逃げるコパノリッキーをマークする形。直線は、直後から迫るアポロケンタッキーとの争いとなったが、本来の伸びは見られず、1馬身半差をつけられての2着に終わった。

 武豊騎手は「もう少し(ペースが)流れてくれれば違ったかもしれない」と展開を敗因に挙げたが、「勝った馬に前に出られたらそのまま。ゴーサインを出しても反応がなかった」と、いつもと違う相棒の走りに不可解な表情。それでも最後は「よく頑張ってくれた。来年もこの馬で重賞を勝ちたい」と巻き返しを誓った。ドバイワールドC(3月25日、メイダン、GI、ダ2000メートル)への遠征プランもある2017年。年男を迎える武豊騎手とのコンビで、リベンジに挑む。

★重馬場に泣いた…サウンドトゥルー3着

 第62回東京大賞典(国際GI、3歳以上オープン、選定馬、定量、ダート・右2000メートル、14頭立て、1着賞金=8000万円)道中4、5番手を追走した2番人気のサウンドトゥルーは、直線で外からぐいぐいと末脚を伸ばし、勝ち馬と0秒3差の3着。ライバルがスローペースに苦しむなか、「きょうはペースが遅くなると思っていた。いい位置で競馬ができた」と大野騎手は位置取りには納得の表情を浮かべる。しかし、「きょうのような重い馬場は向かない。もう少し時計が出る馬場なら違ったかも」と話し、馬場に敗因を求めた。次走は川崎記念(2月1日、川崎、交流GI、ダ2100メートル)の予定だ。

★売り上げ10億円UP!

 驚異的な売り上げレコードだ。東京大賞典1レースの売り上げは37億3269万5200円(前年比135・8%)。従来の記録である昨年の同レース(27億4963万900円)を10億円近く上回った。また、この日の大井競馬の一日の売り上げも61億5878万2900円(前年比127・6%。ほかトリプル馬単3615万690円)で、地方競馬の売り上げレコードを更新。従来の記録は、川崎競馬による今年のJBC当日の48億3981万100円(ほかトリプル馬単3421万2750円)で、こちらも従来の記録を一気に13億円以上も塗り替える大盛況だった。

★レースを終えて…関係者談話

 ◆ルメール騎手(ノンコノユメ4着) 「ポジションは良かったけど、ペースが遅くて前の馬が止まらなかった」

 ◆戸崎騎手(コパノリッキー5着) 「道中の感触は良かったが、気性面か、距離なのか、しまいが今ひとつだった」

 ◆田辺騎手(モズライジン6着) 「スタートがひと息で、ペースも流れなかった。よく追い上げてくれたが…」

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