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【地方交流G1懐古的回顧】2001年東京大賞典 岩手馬の太陽は二度昇る!「漆黒の皇帝」トーホウエンペラー

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【地方交流G1懐古的回顧】2001年東京大賞典 岩手馬の太陽は二度昇る!「漆黒の皇帝」トーホウエンペラー

「中央重賞懐古的回顧」の姉妹版。来たる地方交流G1の過去の優勝馬をピックアップして回顧し、各地の競馬場の舞台で輝いた馬を紹介する「地方交流G1懐古的回顧」。第5回は2001年の東京大賞典優勝馬トーホウエンペラーを取り上げる。


アブクマポーロとメイセイオペラの地方両巨頭が活躍した時代が2000年に終焉を迎えると、国内のダート戦線は途端に混沌の様相を呈した。翌2001年になると一旦天下を取った女傑ファストフレンドの勢いにも陰りが見え始めて、中央の大将ウイングアローも盤石の強さとはいかず、ロジータの孫レギュラーメンバーも勝つ時は強いが負ける時はコロッと負けた。まるでじゃんけんのような実力伯仲の時代はそれはそれで面白かったが、先の両巨頭の頃と比較すると物足りなさがあったのも事実である。ジャパンCダートにてそれらをまとめて一蹴したクロフネも故障で退場してしまった。

岩手のトーホウエンペラーはそんな混沌の時代に現れた漆黒の皇帝であった。後世における知名度で言えば先のメイセイオペラに後れを取っているが、実績はそう劣るものではない。2002年の南部杯にてバンケーティングとの岩手馬ワンツーを決めたのは歴史的偉業と呼べるし、何より先達の勝てなかった東京大賞典を手中に収めたことは評価されるべきである。

その東京大賞典。実績上位の中央馬ウイングアローが一応本命視されたが、最大の注目は南関東四冠を無敗で達成した船橋トーシンブリザード。同馬は7月のジャパンダートダービー以来の骨折明け復帰戦であったが、前走比プラス20キロと直前の調教試験から絞り切れておらず、太目残りの不安はどうも残った。一方のトーホウエンペラーは浦和記念2着からの参戦。前走では直線内にささって左回りへの不安を覗かせただけに、右回りの大井は好条件のように思えた。とは言え越えるべき壁は高いが…?

地元のイエローパワーが果敢にハナ。古豪サプライズパワーが2番手につけ、トーシンブリザードはその直後に陣取った。トーホウエンペラーはさらに後ろで、末脚自慢のウイングアローは馬群の後方。淡々と流れたが3角から競馬は動き始める。石崎隆之騎手が必死に追っつけたトーシンブリザードと同じようにトーホウエンペラーの菅原勲騎手も激しく手を動かして追走。3角から4角にかけてトーホウエンペラーの手応えは良くないように見えたが、直線に至ると外から力強く伸び、残り200mほどで先頭のトーシンブリザードを捕捉。ゴール前追い込んだリージェントブラフを抑え、岩手所属馬として初優勝を果たした。

2走前の朱鷺大賞典(公営新潟の交流G3)にて重賞初制覇を果たし、その前の南部杯ではアグネスデジタルと3/4馬身差の2着に健闘していたトーホウエンペラー。5歳秋にして抜群の成長力を示したこの馬が日本一に輝いたことで、菅原騎手をパートナーとした岩手馬の天下が二度に渡って訪れた。片や3着に敗れたトーシンブリザードは初黒星ではあったが決して悲観すべき内容ではなく、翌年への希望を感じさせた。そしてウイングアローの10着敗退はダート新時代の終わりを思わせた。この後ダート戦線は芝からの参戦馬も入り乱れての戦国時代がしばらく展開されていく。

トーホウエンペラー
牡 青毛 1996年生
父ブライアンズタイム 母レインボーブルー 母父ノーリュート
競走成績:地方30戦20勝 中央3戦0勝
主な勝ち鞍:東京大賞典 MCS南部杯 名古屋大賞典 朱鷺大賞典

(文・古橋うなぎ)

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