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【南関散歩道】アブクマポーロの再来現れるのか

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【南関散歩道】アブクマポーロの再来現れるのか

 アブクマポーロ(牡、1992年生まれ)が死んだと聞き、ため息をついた。今年で29歳。仕方のない年齢であることは分かっていても、地方競馬を見始めた頃の英雄だけに、一陣の風が胸を吹き抜けた。

 7歳(現表記)まで走り、通算32戦23勝(うち中央2戦1勝)、交流GIは4勝。その最後のレースとなったのが99年のダイオライト記念だった。逃げたマイターンを持ったままで捕らえて楽に抜け出し、“いつも通り”の勝利。着差は3/4馬身でも、余力を十分に感じさせる走りで連覇を果たした。

 同馬を管理した出川克己調教師(67)=船橋=は「当時のポーロは負ける気がしなかった」と笑顔で振り返る。「ジョッキーとの意思の疎通がしっかりできたし、石崎(隆之)騎手と、両者で一流の走りを見せてくれました。悟りの境地にあるような、心技体のそろった馬でしたね」。南関の哲学者とも称され、競馬では本来ありえない“絶対”を感じさせた。

 そのダイオライト記念後、馬房で暴れた際に窓に脚が挟まり、飛節のあたりを負傷。「馬体を(馬房の中で)つるような状況で、生きていられるかどうか、というほどでした。それでも回復して歩き始めたときには、すごく芯の強い馬だなと感じました」とトレーナーは振り返る。これがきっかけで引退することになったが、同馬の精神力と生命力の強さを象徴する出来事だった。

 「亡くなる前日までは元気だったようですから、そういった意味でも芯の強い馬。けがをさせてしまったのは申し訳なく、今でも後悔しているけど、勉強もさせてもらいました。『ありがとう』の一語に尽きます」(出川師)。

 ダート路線に今後、アブクマポーロほど“絶対”を感じさせる馬が現れるのか。自分としては難しいと思っているが、その半面で「もしかしたら」という願いも持ち続けている。ポーロの再来を夢見て、今年もダイオライト記念のスタートを待ちたい。(大貫)

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