池添騎乗で2番人気の
メイケイエールが、好位から抜け出して快勝。課題の操縦性を克服し、重賞4勝目をマーク。次走の
高松宮記念(3月27日、中京、GI、芝1200メートル)へ弾みをつけた。2着に7番人気の
シャインガーネットが入り、1番人気の
カレンモエは7着。
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進化した大人の走りで重賞4勝目をもぎ取った。快速牝馬の
メイケイエールが、好位から抜け出して快勝。復活Vに導いた池添騎手が、右手で大きくガッツポーズを作って喜びを爆発させた。
「陣営がこの馬を立て直そうとして、その話を聞いて(行動も)見ていました。前哨戦ですが、それが報われて良かったです」
発馬後は位置を取りに行ったが、先頭に立ちかけたところで抑えると、4番手のインでしっかり折り合った。前向き過ぎる面があり、スピードのコントロールが課題のため、今回は頭を上げないように調教から「折り返し手綱」を使い始めたが、これが効果てきめん。
「我慢してくれていました。パシファイアーもつけて、その効果もすごくありました。本当にレースで上手に走ってくれていました」とジョッキー。道中でたまった脚を直線で爆発させ、残り250メートル付近で力強く抜け出し、後続を1馬身差で振り切った。
見届けた武英調教師は「調教でやってきたことや、新しい馬具がやっとマッチしました。前哨戦としては最高ですし、これを覚えてくれたら」と安堵の表情を浮かべた。
スピードは現役屈指で、「しっかりレースをすれば、改めて力があるところを見せられました」と池添騎手は手応え。このあとは
高松宮記念に直行する。武英調教師は「左回りも上手ですね。軽くリフレッシュして、今回以上の状態に持っていって、いい結果を出したいです」と力を込める。
チューリップ賞以来となる約11カ月ぶりの美酒に、本番と同じ舞台で浸った
メイケイエール。悲願のGIタイトルをくっきりと視界に捕らえた。(斉藤弘樹)
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メイケイエール 父
ミッキーアイル、母シロインジャー、母の父ハービンジャー。鹿毛の牝4歳。栗東・
武英智厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は名古屋競馬(株)。戦績9戦5勝。獲得賞金1億7628万2000円。重賞は2020年GIII
小倉2歳S、GIII
ファンタジーS、21年GII
チューリップ賞に次いで4勝目。
シルクロードSは
武英智調教師、
池添謙一騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+応援」。
★折り返し手綱とパシファイアー…折り返し手綱は、腹帯からハミ環を通した手綱のことで、通常のものよりも制御力が強い。馬に安定した姿勢で運動させるために使用する。パシファイアーは、フードの目穴部分をネットで覆ったもの。芝の塊などが目に当たるのを防御し、集中力を高めるために用いられることもある。別名はホライゾネット。
★30日中京11R「
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