マイルチャンピオンシップが17日、京都競馬場で17頭によって争われ、3番人気のインディチャンプが好位から抜け出してV。
安田記念に次ぐ、史上7頭目の同一年春秋マイルGI制覇を達成した。騎乗停止中の福永騎手に替わって初めてコンビを組んだ
池添謙一騎手(40)=栗・フリー=は同レース単独最多の4勝目。次は
香港マイル(12月8日、シャティン、GI、芝1600メートル)を目指す。1番人気
ダノンプレミアムが1馬身半差の2着だった。
春を制した底力を見せつけた。今年の
安田記念の優勝馬・インディチャンプが、鋭い決め脚を発揮して
マイルチャンピオンシップを制覇。史上7頭目の同一年春秋マイルGIVの快挙を達成だ。
「強かったです。少しゲートが不安定と聞いていたけど、しっかり出てくれました。左斜め前に
ダノンプレミアムがいたので、見ながらのいいポジション。直線で追い出したら、すごくいい反応をしてくれました。これで、真のマイルの
チャンピオンになったと思います」
単独最多4勝目の池添騎手が、パートナーをたたえる。好位の内を追走し、直線に向いても、1番人気馬が追われるのを尻目に手綱は持ったまま。「外の
ダノンプレミアムよりも手応えに余裕があるように見えたし、ソラを使う(気を抜く)前に一気にかわそうと思いました」とジョッキーは回顧。その後、残り1ハロンでゴーサインが出されると、瞬時に1馬身半抜け出した。
主戦の福永騎手が9日の東京で騎乗停止となり、巡ってきた代打。福永騎手に不安定なゲート、気を抜く癖のアドバイスをもらい、13日の追い切りで初めて
コンタクトを取った。
「またがった瞬間、すごく雰囲気がありました」。あとは責任を果たすだけと臨んで完璧なリード。昨年の
有馬記念(
ブラストワンピース)以来となる歴代7位タイのGI25勝目になったが、「馬が頑張ってくれました。役目を果たせてホッとしています。福永先輩にもお礼を言いたいです」と謙虚に話した。
「デキは今年で一番でしたからね。自信があったし、うれしい」
このレース2位の3勝目となった音無調教師も、仕上がりに胸を張った。
次に見据えるのは
香港マイル。「香港にはビューティージェネレーションという強い馬がいる。どこまでやれるか」とトレーナーは期待を寄せる。昨年12月のオープン入りから一気にマイル界を統一したインディチャンプ。勢いそのままに、世界制圧も成し遂げてしまうかもしれない。 (千葉智春)
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★入場&売り上げ
マイルCSの売り上げは153億5863万2500円で、前年比98・6%で売り上げ減となった。今年の平地GIは18レースを終了し、売り上げ減は8レース目。入場者の方は好天に恵まれたこともあって、3万6272人で前年比109・5%のにぎわいだった。
インディチャンプ 父
ステイゴールド、母ウィルパワー、母の父
キングカメハメハ。鹿毛の牡4歳。栗東・
音無秀孝厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。戦績12戦7勝。獲得賞金3億6179万円。重賞は2019年GIII
東京新聞杯、GI
安田記念に次いで3勝目。
マイルCSは
音無秀孝調教師が2009年
カンパニー、16年
ミッキーアイルに次いで3勝目、
池添謙一騎手は4勝目。馬名は「インディカーの年間王者に輝いた、母親と同名のレーサーにちなんで」。