第59回
宝塚記念(24日、阪神11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝・内2200メートル、1着本賞金1億5000万円 =出走16頭)
和田竜二騎乗で7番人気のミッキーロケットが早め先頭から、香港の
ワーザーの追撃をクビ差で振り切り快勝。7度目の挑戦でGI初制覇となった。タイム2分11秒6(稍重)。夏場は休養して、秋は
ジャパンC(11月25日)を目標にする。1番人気の
サトノダイヤモンドは積極的なレース運びを見せたが6着と最後は力尽きた。上位人気馬が崩れ、3連単は49万円超の波乱となった。
来るなよ、来るなよ-。最後の直線で迫りくる香港馬
ワーザーを、音無調教師は祈るような気持ちで見ていた。早め先頭に立った愛馬ミッキーロケットが押し切ると、歓喜と安堵(あんど)が入り交じった表情を浮かべた。
「めちゃくちゃうれしい。なかなか勝てなかった馬で、これまでは(賞金不足による)除外などを考えながらやってきましたから。勝ってほっとしました」
昨年1月の
日経新春杯以来、1年5カ月も遠ざかっていた勝利を、GIで味わえた。これ以上ない最高の結果だ。
この中間、ミッキーロケットは好ムードに包まれていた。トレーナーは2週連続で追い切りに騎乗した和田騎手とともに絶好調を感じ取り、「GIメンバーが相手なので強気なことは言えなかったけど、前走の天皇賞・春(4着)よりさらに良くなっていたので、ひそかに自信があったんですよ」と色気を持っていた。
昨年まで課題だったスタートが決まるようになったのも大きかった。「今年はスタートの心配がなくなった。そのおかげで好位につけて、内をピッタリ回ってこられた。直線で内に頼るところがある馬だけど、和田君もよく分かっているから」。3歳秋から長くコンビを組む和田騎手の手腕をたたえた。
師にとっては、
ミッキーアイルで勝った2016年
マイルCS以来のGI制覇。「(和田騎手と同様に)僕も遠ざかっていたけど、ぼちぼち勝てる頃かなと」と周囲を笑わせた。
「秋はどこか(のGI)を狙えれば。個人的には
ジャパンCかなと思っている」
次戦は夏休みを挟んで
京都大賞典(10月8日、京都、GII、芝2400メートル)での始動が有力。秋は王者としてさらなる高みを目指す。
★入場&売り上げ
24日の阪神競馬場の入場人員は6万5800人で前年比122・4%と大幅にアップした一方、
宝塚記念の売り上げは192億1928万7700円で同90・9%とダウン。12レース行われた今年の平地GIのうち、売り上げダウンは
フェブラリーS、
大阪杯、
皐月賞、天皇賞・春に次ぐ5レース目となった。この日で上半期の開催が終了。総売り上げは1兆3930億535万2100円で前年比101・3%、開催競馬場入場人員は318万6754人で同100・1%と僅かながらともにアップした。
★24日阪神11R「
宝塚記念」の着順&払戻金はこちら
★アラカルト
◆
音無秀孝調教師 延べ13頭の出走で初勝利。JRA・GIは2016年
マイルCS(
ミッキーアイル)以来の9勝目。
◆生産者ノーザンファーム 4年連続での6勝目で、JRA・GIは118勝目。
◆
キングカメハメハ産駒 15年
ラブリーデイに次ぐ2勝目で、JRA・GIは21勝目。
◆5歳馬 14年
ゴールドシップから5年連続での17勝目。他は4歳33勝、6歳7勝、7歳2勝だが、近年は5歳馬の活躍が目立つ。
◆
宝塚記念でGI初制覇 1984年のグレード制導入後、15年
ラブリーデイ以来の17度目。なお、今年の古馬芝GIは6レース全てGI未勝利馬が優勝。
◆
武豊騎手
ダンビュライトは5着だったが、JRA・GIは前人未到の500回目(75勝)の騎乗だった。騎乗数2位は
横山典弘騎手の389回(26勝)。
ミッキーロケット 父
キングカメハメハ、母マネーキャントバイミーラヴ、母の父ピヴォタル。鹿毛の牡5歳。栗東・
音無秀孝厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は野田みづき氏。戦績22戦5勝。獲得賞金3億6247万8000円。重賞は2017年GII
日経新春杯に次いで2勝目。
宝塚記念は
音無秀孝調教師は初勝利、
和田竜二騎手は2000年
テイエムオペラオーに次いで2勝目。馬名は「冠名+
ロケット」。