くりーく
第49回新潟記念(1日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝・外2000メートル、1着本賞金4000万円=出走14頭)サマー2000シリーズの最終戦は、松岡正海騎乗の10番人気コスモネモシンが、中団から力強く伸びてV。重賞2勝目は、3年8カ月ぶりの勝利だった。タイム1分58秒9(稍重)。2着はエクスペディション、3着はファタモルガーナ。1番人気のニューダイナスティは5着に敗れた。シリーズは22ポイントを獲得したトウケイヘイローが優勝した。 もがいていた人馬が、恵みの雨で復活を遂げた。6歳牝馬コスモネモシンが、タフな芝コースで牡馬を一蹴。2010年フェアリーS以来、3年7カ月21日ぶりとなる勝利を重賞で飾った。 「最後の脚は持っているし、折り合いに一番気をつけて乗った。こういう馬場は得意なので先に抜け出せればと思った」 派手なガッツポーズを決めた松岡が、してやったりの表情で振り返る。 2年4カ月ぶりの手綱に「マイネイサベル(府中牝馬Sなど重賞3勝)くらい能力がある馬。いい意味で変わっていない」と手応えをつかんでいた。後方の内で折り合って直線でも内を突き、逃げるエクスペディションをクビ差かわした。 今年の重賞3勝目を「天才騎乗」と自画自賛する松岡は「こういうこと言っちゃうのがダメなんだよな」とちゃめっ気たっぷりに笑う。夏競馬は8勝にとどまったが、「秋に頑張りたい」と反撃への足がかりとする。 「ジョッキーがうまく乗ってくれました。信じるものは勝つ」と人馬をたたえる清水英調教師も復活の兆しを感じていた。前走時の追い切りはWコース入りを40分も嫌がったが、今回は坂路に替えてスムーズに入った。そして朝からの雨。「(元騎手で)調教助手の(嶋田)高宏が工夫してくれた。ハンデは軽いし、こういう馬場はいいと思った」とうなずく。 牡馬ではダンスインザモアが重賞勝利間隔で5年8カ月ぶりのVを決めているが、牝馬では最長(1984年以降)。消長の激しい牝馬を復活させたのは陣営の努力にほかならない。 次走は未定ながら「もうひと花さかせたい」とトレーナー。雨模様だった競馬場には最終レースが終わるころ、雲の切れ間から青空が顔を出してきた。ネモシンの明るい未来を示しているかのようだった。 (森田実)★1日新潟11R「新潟記念」の着順・払戻金はこちらコスモネモシン 父ゼンノロブロイ、母デュプレ、母の父シングスピール。青鹿毛の牝6歳。美浦・清水英克厩舎所属。北海道様似町・富田恭司氏の生産馬。馬主は(有)ビッグレッドファーム。戦績29戦3勝。獲得賞金は1億9712万4000円。重賞は2010年GIIIフェアリーSに次ぐ2勝目。清水英克調教師、松岡正海騎手ともに新潟記念は初勝利。