霧
スガダイ
第27回エプソムC(13日、東京11R、GIII、3歳上オープン国際、別定、芝1800メートル、1着本賞金4100万円=出走18頭)1番人気のセイウンワンダーがハナ差で優勝。08年の朝日杯FS以来の勝利を重賞でつかんだ。1分46秒1(良)。福永祐一騎手(33)=栗・フリー=は14年連続JRA重賞制覇を達成し、通算重賞70勝目の節目の勝利となった。ワンダー陣営は宝塚記念参戦を表明した。逃げたシルポートが2着、さらにハナ差3着には9番人気のキャプテンベガが入った。 二転三転のゴール前、3頭がハナ、ハナ差という大激戦。最後の最後に勝利をもぎ取ったのは、メンバー唯一のGI馬セイウンワンダーだった。 「終始いい手応えで、直線もスムーズに出られたのですが、少し反応が鈍くて。最後もかわせたか分かりませんでした」 冷や汗交じりの福永祐一騎手だったが、レースぶりは冷静沈着。ロスなく好位を進んで、直線は馬群がバラけた隙間をソツなく突いた。そこから本来の伸びが見られなかったが、力でねじ伏せた。2歳王者に輝いた朝日杯FS以来、約1年半ぶりの勝利を飾り、堂々と1番人気に応えた。今年初の重賞勝ちとなったユーイチは、14年連続のJRA重賞V。区切りの重賞70勝も達成した。「どこかで勝てるだろうとは思っていましたが、やはり大きいレースを勝たないと。勝てて良かったです」と安堵の笑みを浮かべた。 先週の安田記念を賞金不足で除外になったワンダーは、クラス編成の関係で今週末から賞金が半分に減る。「このあたりで稼がないと、先のことが考えられない」と領家政蔵調教師も必勝を期しての参戦だった。戦前に「ここを勝てば選択肢が広がる」と話していたトレーナーは、宝塚記念(27日、阪神、GI、芝2200メートル)へのエントリーを表明。中1週でもあり、栗東への帰厩後の様子を見てからになるが、「もう少し絞れた方がいい」(領家師)体つきを思えば、さらなる上積みもありそうだ。 「まだまだ良くなる余地がありますし、高いポテンシャルを感じている馬ですから。大きいレースに向けて、いい弾みになったと思います」 ユーイチも今後に向けて視界が明るくなったと感じている。再びGIの晴れ舞台に挑むセイウンワンダー。チャンピオンの誇りを取り戻した2歳王者が、今度は古馬の頂点を目指して突き進む。(黒田栄一郎)