岡村信将
くりーく
第53回産経大阪杯(5日、阪神10R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金6400万円=出走12頭)GI馬6頭の競演は、池添謙一(29)騎乗の3番人気ドリームジャーニーが、断然人気のディープスカイとの叩き合いをクビ差抑え、重賞5勝目を挙げた。1分59秒7(良)。今後は宝塚記念でGI2勝目を狙う。 最後の直線。真骨頂の瞬発力がこれ以上ないほどの輝きを放つ。一旦、先頭に立ったらもう絶対に抜かせない。ドリームジャーニーがディープスカイを大接戦の末に下した。 「さすがにダービー馬ですね。一瞬は差し返されそうになりました。でも、よく辛抱してくれましたね。いい脚を使ってくれましたよ」 池添謙一騎手が誇らしげな表情を見せた。道中は昨年の日本ダービー&NHKマイルCの“変則2冠馬”を前に見る形でマーク。自分のリズムを守りながらパワーを蓄積して、ホームストレッチの勝負に賭けた。抜群の脚色でディープに迫り、かわす。上がり3ハロン34秒0の豪脚で激しい叩き合いをモノにした。 着差はわずかクビ。しかも相手はダービー馬。道中のタメ、追い出しのタイミングなど、ひとつでも、予定通りに行かなければ負けていた。「きょうはうまく乗れましたね。強いジャーニーを見せてくれました」と池添。パートナーの持ち味をフルに引き出す好騎乗でVを呼び込んだ。 「相手とは2キロの斤量差とレースを使っている強みがありましたが、池添騎手が完璧な競馬をしてくれました」。池江泰寿調教師もジョッキーを褒め称えた。 次は金鯱賞(5月30日、中京、GII、芝2000メートル)に挑み、上半期の大目標の宝塚記念(6月28日、阪神、GI、芝2200メートル)の予定。海外Vも含めGI馬6頭とメンバーの揃っていた中での勝利が、今後の視界を大きく開かせる。 「ここ2走、勝ちを残せませんでしたが、きょうは“大きな勝ち”を残すことができて良かった。次も馬の力を信じて頑張ります」と池添。この日披露した強さはまぎれもなく本物。今なら、06年朝日杯FS以来となる2度目のGI勝ちの瞬間を容易にイメージできる。(宇恵英志)