伊吹雅也
くりーく
スガダイ
マカロニスタンダーズ
第13回アイビスサマーダッシュ(28日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際特指、別定、芝・直1000メートル、1着本賞金3800万円 =出走18頭)サマースプリントシリーズ第3戦は、酒井学騎乗の1番人気ハクサンムーンが身上のスピードを生かした積極策でV。昨年のGIII京阪杯に次ぐ重賞2勝目を飾り、シリーズでトップに立った。タイム54秒2(良)。今秋はスプリンターズS(9月29日、中山、GI、芝1200メートル)に挑む。2着は3番人気フォーエバーマーク、3着は6番人気リトルゲルダ。昨年の覇者パドトロワは10着だった。 真夏の越後で成長した姿を披露。韋駄天ハクサンムーンが、日本唯一の直線重賞を制した。 「力が違うと思い、自信を持って乗りました。追い出してからもムキにならず、しっかり反応してくれましたし、短距離のスペシャリストという走りを見せてくれました」 地元・新潟出身の酒井学騎手が笑顔で振り返る。好スタートを切ると、外ラチ沿いへパートナーを導く。内から飛び出したフォーエバーマークを見ながら追い出しにかかり、残り200メートルで勝負を決めた。 酒井騎手は昨年のジャパンCダートをニホンピロアワーズで制し、GIジョッキーとなって故郷に凱旋。「久々に新潟で重賞勝利。いっそう、うれしいです」。2001年カブトヤマ記念(タフネススター)以来の地元重賞Vに感慨深げだ。 ハクサンムーンは本馬場入場の際、グルグルと旋回。スタンドをどよめかせた。「(最近)走るようになってからやり始めました」と西園正都調教師。「レースは完勝。去年(4着)はハイペースで止まったが、乗り役がじっくり我慢して乗ってくれた」とコンビをたたえた。 今後は短期放牧を経て、セントウルS(9月8日、阪神、GII、芝1200メートル)からスプリンターズSへ。15ポイントで暫定トップに立つサマースプリントシリーズを制してから、GI獲得を狙う。 「デビューから馬体が30キロくらい増えたし、まだよくなる」とトレーナー。「息を入れることを覚えたし、メンタル面の上積みも見込めます」と主戦騎手もうなずく。充実著しいハクサンムーンがスプリント界の頂点に駆け上がる。 (森田実)ハクサンムーン 父アドマイヤムーン、母チリエージェ、母の父サクラバクシンオー。栗毛の牡4歳。栗東・西園正都厩舎所属。北海道日高町・白井牧場の生産馬で、馬主は河崎五市氏。戦績16戦6勝。獲得賞金は1億7093万3000円。重賞は2012年GIII京阪杯に次ぐ2勝目。アイビスサマーダッシュは西園正都調教師、酒井学騎手ともに初勝利。★アイビスSDの着順・払戻金はこちら