伊吹雅也
第25回フェアリーS(11日、中山11R、GIII、3歳牝馬オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金3800万円=出走16頭)福永祐一騎乗のジェルミナルが1番人気に応えて快勝。距離がマイルに変更された新装・重賞で初タイトルを獲得し、桜花賞戦線に名乗りを上げた。タイム1分36秒5(良)。1馬身1/4差の2着は4番人気のアイアムネオ。3着には10番人気のグッデーコパが粘り、3連単は13万2980円の波乱となった。 ここでは明らかに地力が違っていた! ジェルミナルが阪神JF6着の雪辱を見事に果たし、重賞初Vで桜花賞戦線に名乗りを上げた。 「とにかく内容のあるいい競馬をしたかった。好スタートが切れたし、最内なのでうまく(馬群を)さばく事だけ考えていた」と、期待馬を勝利へエスコートした福永祐一騎手はホッとした表情を見せた。 1番枠から好スタートを切ったジェルミナル。前半4ハロン48秒6のスローペースにも掛かることなく、インでしっかりと流れに乗った。直線に向いて、ユーイチはすかさず右ステッキでGOサイン。馬群を割って坂下から末脚を伸ばして抜け出し、堂々の1番人気に応えての完勝。ユーイチも会心のレースぶりに口が滑らかだ。 「スペースさえあれば終いの脚は爆発すると思っていた。ブエナビスタが強いのは分かっているけど、ジェルミナルはまだこれからドンドン良くなる馬だからね」 前走の阪神JFでは外枠(17番)から前半に脚を使って直線失速。この日の完璧な勝利で、08年最優秀2歳牝馬に堂々の挑戦状を叩きつけた。 藤原英昭調教師は、今年の初勝利が19度目の重賞制覇。「力があるのは分かっていたし、それをどう競馬で生かして行くかが課題だった。勝つと後が楽になると思っていた。今後は少し楽をさせて体を戻す。1度叩いて桜花賞へ。最終的にはブエナビスタを目標にやっていかないと」とトレーナーの視線も既に桜花賞(4月12日、阪神、GI、芝1600メートル)へ向けられている。 阪神JFでブエナビスタにつけられた7馬身の差。強力タッグを組んだ“藤原英&ユーイチ”コンビが、桜の舞台での逆転のシナリオをしっかり描いている。(片岡良典)