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【門田光生の笑う門(田)には福きたる!】「アブクマポーロ」

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【門田光生の笑う門(田)には福きたる!】「アブクマポーロ」

 今年2月21日、南関東から誕生した名馬アブクマポーロが死んだ。29歳という年齢を思えば、長生きした方だろうか。現役時代をリアルタイムで見ており、その強さは知っているつもりだったが、改めて成績を振り返ると、当時は気付かなかったことが山のように出てきた。

 まず、デビューが4歳(当時は旧年齢表記、以下同様)の5月と遅かったこと。そこから勝ち負けを繰り返して強くなっていった様は、まさに晩成型のそれ。同じクリスタルグリッターズ産駒のマチカネフクキタル(菊花賞)やテイエムジャンボ(京都記念)も、ある時を境にして一気に強くなった印象があるので、産駒はそういうタイプが多かったのかもしれない。

 4歳の10月にC1で4着に敗れた後、休養に入り、翌年5月に同じC1で復帰。成長期に無理をしなかったのが功を奏したようで、そこからの24戦で着外になったのは芝の産経賞オールカマーだけ。もちろん、この24戦の中には帝王賞東京大賞典などの大レースが含まれており、JRAの強敵と何度も戦いながら、ダートで一度も大きく崩れなかったのがこの馬の特筆すべきところ。当時のライバルだったメイセイオペラや、重賞19勝の最多記録(当時)を樹立したスマートファルコンでさえ、本格化以降も何度か着外に敗れている。自身の能力や陣営の体調管理はもちろん、どんな条件、相手でも常に力を出し切れる強靱(きょうじん)な精神力が備わっていたのだろう。

 アブクマポーロたちが走っていた頃は、中距離の地方交流重賞でもJRA馬相手に互角か、それ以上の戦いができていたのだが、帝王賞は2010年にフリオーソが、東京大賞典は05年にアジュディミツオーが1着となった後、地方所属馬から勝ち馬が出ていない。交流レースの活性化のためには、JRA馬と地方馬が五分に戦えるのが理想。JRA勢が一方的に勝つ今の状況を良しとしてはいけない。

 しかし、兆しは見えている。東京大賞典では2年連続で地方所属馬が連対し、今年の川崎記念ではカジノフォンテンが10年ぶりに地方所属馬として勝利を収めた。アブクマポーロが死んだ今年が転換点となって、再び中距離で地方馬が輝く日がやってくることを願っている。

■門田 光生(かどた・みつお) 競馬専門紙で約20年、トラックマン兼編集部主任として在籍し、現在はサンスポZBAT競馬!にて本紙(名古屋、笠松、金沢)を担当。クラブ法人の出資歴は20年以上だが、持ち馬が高確率で故障してしまうのが悩みの種。

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