当企画のコンセプトにつきましては、
コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2017年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) 今週はジャパンカップウィーク。実績のある外国馬が3頭出走し、さらには久しぶりに短期免許でムーア騎手、C.デムーロ騎手が来日します。重賞以外のレースでの彼らへの乗り替わりも見ものです。
新良(以下、新) 楽しみですね。乗り替わりイコール鞍上強化というケースがほとんどでしょうから。
編 ムーア騎手は27日から、C.デムーロ騎手は28日からの騎乗となりますので、注目したいと思います。
新 過剰人気傾向にあっても、積極的に狙うべきでしょう。
編 そうですね。さて、今週の大注目の一戦はジャパンカップですが、その前に、こちらも見逃せない2歳重賞の京都2歳Sが土曜日に組まれています。まずはこのレースを攻略していこうと思いますが……。
新 京都2歳Sはパスさせてください。少頭数のうえに乗り替わりが2頭しかいませんので、勝負しづらいんです。
編 なるほど。それはやむを得ない状況ですね。では、どのレースを中心に攻略していきますか?
新 東京メインのキャピタルSをピックアップします。
編 重賞ではありませんが、なかなかいいメンバーが揃ったリステッド競走ですね。早速、狙い目をお聞かせください。
新
浜中俊騎手から
戸崎圭太騎手に乗り替わる⑭
ヴェロックスを狙ってみます。
編 この馬はほぼ
川田将雅騎手か浜中騎手に鞍上が固定されてきましたが、ついに陣営も動きを見せましたね。
新 この乗り替わりは期待できますよ。浜中騎手は2012年にリーディングのタイトルを獲得しましたが、それ以降は成績を落とし続けています。理由はさておき、結果がすべての世界ですので、今はトップジョッキーという扱いはできません。
編 2019年に
日本ダービーを制しましたが、流れを変えられずにいる感がありますね。
新 おっしゃる通り。
ヴェロックスの近走は決して悪い騎乗ではありませんでしたが、パンチ力不足は否めない印象でした。ですので、この乗り替わりは大幅鞍上強化と考えていいでしょう。
編 馬がもがいている状況を打開するために、戸崎騎手に白羽の矢が立てられたわけですね。
新 おそらくそうでしょう。とくに乗り慣れた関東なら期待できますしね。
編 当然、コース実績のほうも……。
新 成績はいいですよ。東京芝1600mでは、2017~2019年が15.3%、2020年以降が15.2%と高い水準の勝率をキープしています。
編 まさに安定感抜群ですね。
新 はい。
クイーンC2番人気1着の
アカイトリノムスメや、
富士S9番人気2着の
サトノウィザードなど、今年は東京芝マイル重賞の乗り替わりでしっかり結果を残していますので、頼もしい限りです。
編 人気以上の着順に持ってくるあたりがさすがです。
新 戸崎騎手は名手と認められながらも過剰人気しないありがたい存在で、オープンクラスのレースでは2020年以降、勝率16.7%、単勝回収率は120%をマークしています。しかも、関西馬に限定すると単勝回収率は144%にまで上昇するんです。
編 もう、買わない理由はないですね(笑)。馬のほうの評価はいかがですか?
新 最近の走りを見るに、2000m以上よりは1800mのほうがいい競馬をしているので、マイルへの距離短縮はプラスにはたらく可能性があります。
中内田充正厩舎が、1400~1600mで好成績を残しているのも大きな加点材料です。
編 強い
ヴェロックスがマイルで見られるかもしれないですね。
新 クラシック三冠すべてで馬券に絡んだほどの馬ですから、ポテンシャルは高いはず。ここで新境地を開拓してほしいですね。
編 人気割れ必至の一戦ですので、妙味のある狙い目になりそうです。
新 復活勝利に期待しましょう。
★その他の注目乗り替わり★
阪神8R ②
フィニステール(
角田大和→
川田将雅)
東京9R ⑭
マルブツプライド(
岩田康誠→
戸崎圭太)
東京12R ④
クリーンスイープ(
戸崎圭太→ルメール)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。
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