村吉
佐藤洋一郎
きいいろ
奥野憲一
世紀末覇者 券王
くりーく
暴君アッキー
クイーンカップ(11日、東京11R、GIII、3歳牝馬オープン国際(特指、別定、芝1600メートル、1着本賞金3500万円 =出走9頭)北村友一騎乗で1番人気に推されたクロノジェネシスが、中団追走から直線で抜け出し、重賞初勝利。管理する斉藤崇史調教師(36)=栗東=もうれしいJRA重賞初Vとなった。タイム1分34秒2(良)。今後は桜花賞(4月7日、阪神、GI、芝1600メートル)、オークス(5月19日、東京、GI、芝2400メートル)を見据える。クビ差2着が2番人気ビーチサンバだった。 東京開催中止の土曜に続いて関東に雪が舞ったこの日、府中の直線に春を予感させる息吹が舞い込んだ。阪神JF2着馬クロノジェネシスが、1番人気に応える末脚を発揮して重賞初制覇。今年早くも重賞3勝目の北村友騎手は、笑顔で相棒の切れ味をたたえた。 「この馬の瞬発力を信頼していましたからね。(2日の延期でも)返し馬で安心したし、メンタルは落ち着いていました。イメージ通りに行けて反応も良かったです」 課題のゲートを決めたが、序盤は力む場面も。それをなだめつつ「馬の後ろに入れたら折り合いも良くなった」。抜群の手応えで直線に向くと、ライバルたちが追い出されるなか残り400メートル過ぎまで余裕たっぷり。ゴーサインに応えて一気に前を捕らえ、最後は手綱を押さえながら近親にあたるビーチサンバ(クロノの祖母とビーチの曾祖母が同じラスティックベル)をクビ差封じた。 「ゲートを出たぶん、力んでいたけれど、結果的に危なげなかったですね。本番に向けていいレースができました」 JRA重賞初制覇の斉藤崇調教師も、喜びをかみしめながら愛馬をねぎらう。金曜に到着後、降雪の影響でよもやの3泊4日で競馬を迎えたが、準備は万端だった。順延を想定して鞍を用意し、土曜はダートコースで調教。日曜も引き運動で調整した。「賢いので、こういう状況でも対応してくれました」と信頼は揺るぎない。 一戦ごとに力を出し尽くすため、間隔をあけて臨んだ始動戦で好発進。そのうえで、陣営は春の2冠を見据える。「競馬場に来ると気が入る。そのあたりをどうしていくか。オークスの距離はもたせたいですから」とトレーナーがいえば、ジョッキーも「8割くらいの仕上がりで能力を出してくれました。距離が延びても大丈夫」と大きな期待を寄せた。 今後は滋賀・ノーザンファームしがらきへ放牧に出て、桜花賞へ直行予定。その後のオークスもチャンス十分だが、まずは阪神JFの雪辱を同じ仁川の舞台で-。世代の主役の物語を、クロノジェネシスが自らの力で紡ぎ出す。 (千葉智春)★斉藤崇史調教師 JRA重賞は21度目の挑戦で初勝利。これまで2着は4度あった。なお、地方競馬では昨年の交流GI全日本2歳優駿をノーヴァレンダで制している。★【クイーンC】払い戻し確定!! 全着順も掲載