第40回
エリザベス女王杯(15日、京都11R、GI、3歳上牝馬オープン国際(指)、定量、芝・外2200メートル、1着本賞金9000万円=出走18頭)
蛯名正義騎乗の6番人気
マリアライトが、GI初挑戦で優勝。積極的な競馬で1番人気
ヌーヴォレコルトをクビ差で振り切った。タイム2分14秒9(稍重)。次走は未定。蛯名騎手はJRAの牝馬限定GI6レースを完全制覇となった。2番人気の
ラキシスは11着と大敗した。
雨上がりの晴天の下でシンデレラストーリーを実現させた。渋った馬場を味方につけた
マリアライトが、重賞初制覇をGIの大舞台でやってのけた。
「この馬向きの馬場だったし、レース自体は完璧だった。最後は何とかしのいでくれと思っていたが、よくがんばってくれた」。会心の勝利に蛯名騎手が頬を緩める。
レースぶりは重賞未勝利だったとは思えない堂々たるもの。中団の外で脚をため、残り200メートル過ぎで先頭へ。外から同期の
オークス馬
ヌーヴォレコルトが並びかけてきたところでもうひと伸び。クビ差振り切って栄光のゴールを駆け抜けた。
「後ろに強い馬がいたので待っていたら負けると思い、自分から動いていった」。
武豊騎手に次ぐ牝馬限定GIの完全制覇を達成した名手は、パートナーの力を信じ、見事に勝利をエスコートした。
「あまりにもスムーズだったので逆に不安だったが、4コーナーで本当にいい手応えだったので力が入った」。GI初制覇となった久保田調教師の喜びもひとしおだ。
デビュー当初は思うようにけいこができず、使い減りする面もあった。しかし、陣営がじっくりと成長を促しながら大事に育てたことが実を結んだ。3月の潮来特別(1000万下)を圧勝したときに久保田師は「強い勝ち方だったので、
エリザベス女王杯に出してあげたいと思った」と早くも秋のGIを意識した。
5月にオープン入りしてからわずか半年での戴冠。休み明けだった前走から10キロの馬体減でも「前回と比べてもキュッと馬体が締まっていい状態だった」とジョッキーが語るように、以前の弱さは影を潜め、格段にたくましさを増した。