第61回府中牝馬S(14日、東京11R、GII、3歳上牝馬オープン国際(指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金5100万円=出走13頭)実績最上位ながら、近況不振で4番人気と評価が低かったホエールキャプチャが東京競馬史上最速の上がり勝負を制し、完全復活をアピールした。タイム1分48秒8(良)。次走はエリザベス女王杯かマイルチャンピオンシップだが、どちらに進んでも昨年のヴィクトリアマイルに次ぐGI2勝目が期待できそうだ。1/2馬身差の2着に5番人気ドナウブルー。1番人気アロマティコは7着に終わった。 芦毛の女王が底力を発揮した。昨年のヴィクトリアマイル優勝馬ホエールキャプチャが、持ち前のスピードと持久力でライバルを一蹴。再度のGI制覇へ弾みをつけた。 「状態がよくなっていたので、久しぶりに期待していた。具合がいいとゲートの中でも落ち着いているし、こちらの思うような競馬ができる」 5度目のコンビで初勝利を挙げた蛯名正義騎手が、笑顔で振り返る。1000メートル通過は63秒8の超スローペース。3番手を進んだホエールは4コーナー手前から進出し、直線入り口では先頭をうかがう。残り300メートルで逃げるコスモネモシンをかわし、激しい左ムチに応えてドナウブルーの追撃を半馬身振り切った。 「(仕掛けが)早いなと思ったが、ペースが遅く、あまり待っていると後ろから惰性をつけられてしまう。ボクの馬もGIを勝っているし、地力を信頼して自信を持っていった」と蛯名は胸を張る。レースの上がり3ハロン32秒8は東京のレース史上最速と、内容も濃かった。