きいいろ
くりーく
第15回プロキオンS(阪神10R、GIII、3歳上オープン国際、別定、ダ1400メートル、1着本賞金3800万円=出走16頭)岩田康誠騎乗の4番人気ケイアイガーベラが逃げ切り勝ち。1分21秒8(稍重)のJRAレコードで、重賞初制覇を飾った。デビューから6連勝中で、1番人気に推されたナムラタイタンは3着。ダート界の新星は、初めて挑戦した重賞の壁に阻まれた。 スピードの絶対値が違った。紅一点の4歳牝馬ケイアイガーベラが、牡馬を一蹴。鮮やかな逃げ切りで、初の重賞タイトルをつかみ取った。 「2番手でもいいと思ったけど、馬の調子が良すぎて、スピードもあるのでハナに行きました。乗っていて、ホンマ楽でした」。実戦で初コンビを組んだ岩田康誠騎手が、笑顔で振り返った。 大外枠(8枠16番)からスタートを決めたところで、勝負は決まった。先手を奪い、1馬身ほどのリードを保ってリズムよく逃走。抜群の手応えで直線に向くとメンバー最速の末脚(上がり3ハロン35秒3)で、後続を一気に突き放した。2着に4馬身差を付ける快勝で、勝ちタイム1分21秒8はレコード。95年にタイキパイソンが京都競馬場で記録した1分21秒9を、15年ぶりに更新した。 「(7日の)最終追い切りで乗ったときも、坂路で(4ハロン)51、52秒台だと思ったら、びっくりする時計(48秒7)だった。牝馬だけど落ち着きもあるし、すごい能力を感じます」とジョッキーは絶賛。平田修調教師も「3歳時よりも(馬体に)厚みが出て、ダートの短距離馬っぽくなってきた」と満足げだ。 今後はひと息入れて、JBCスプリント(11月3日、船橋、交流GI、ダ1000メートル)に照準を定める。「当初は佐賀のサマーチャンピオン(8月18日、交流GIII、ダ1400メートル)に向かう予定だったけどね。JBCは1000メートルだけど、参加しないわけにはいかないでしょう」と、トレーナーは意欲を燃やす。 ダート短距離界に誕生したニューヒロイン。夢は広がるばかりだ。(鈴木康之)