デビュー2連勝中のザタイキが栗東坂路で圧巻デモ。ラスト1ハロン12秒5(4ハロン56秒3)と切れ、先行した僚馬を5馬身突き放した。「最大の武器はセンスと瞬発力」と藤原英調教師が高評価する大器。春のGI戦線とも関わりの深いレースで初のタイトルを狙う。
栗東坂路のゴール前、残り1ハロンからザタイキが一気に弾ける。併走馬を瞬時に5馬身ぶっちぎる圧巻のパフォーマンスだ。
「時計や動きは指示通り。今はまだ体をしっかりさせていく段階ですから、うまく作っていかないとね」
藤原英調教師は肩の力が抜けたムードで切り出したが、動きは絶好だ。僚馬ロードラテアート(牡4、500万下)を3馬身ほど追いかけ、残り1ハロンで並びかける。ゴールまでわずか200メートル地点からギアが上がり、あっと言う間に相手を置き去りに。「最大の武器はセンスと瞬発力」とトレーナーが胸を張る持ち味を存分に発揮した。
土曜の重賞の追い切りを木曜に行うことはレース間隔を考えると珍しい。その不安を、藤原英師はあっさりとかわした。「常識? それがあるならそれに合わせればいいんだろうけど、毎日馬を見ている雰囲気の中で判断したことだからね」。今季すでにJRA10勝(26日現在)を挙げて全国リーディングを快走するトレーナーは自らの信念を貫いた。心身とも完成途上で、無理はさせられない段階。「いろいろ試している中で結果が出せるのは能力があるから」と愛馬の実力は高く評価している。だからこその木曜追いだ。
「当然、GIに向かう馬だけれど、とりあえず1つ1つの目標を
クリアすること。
NHKマイルCか
皐月賞かダービーかは、目先のレースが終わってからですよ」
馬本位の仕上げだが、陣営がGIを強く意識しているのも紛れもない事実。これぞ大器、というレースぶりを見せつけるべく、ザタイキが無敗の重賞勝ちを決めに行く。(黒田栄一郎)