第44回関屋記念(9日、新潟11R、3歳上オープン国際、別定、芝・外1600メートル、1着本賞金4100万円=出走18頭)待ってたぜ、コーセイ! 単勝2番人気のスマイルジャックが直線で力強く伸びてVゴール。テン乗りの三浦皇成騎手(19)=美・河野=は1年ぶり2度目の重賞制覇を飾った。タイム1分32秒7(稍)。1馬身差2着に1番人気のヒカルオオゾラ。08年皐月賞馬で長期休養明けのキャプテントゥーレが4着と見せ場をつくった。 初騎乗のスマイルジャックでトップゴールした瞬間、三浦皇成騎手は顔をクシャクシャにしながら右の拳で何度もガッツポーズ。函館2歳S(フィフスペトル)以来1年ぶり2度目の重賞ゲットに喜びを爆発させた。 道中は無駄な力を使わせないように中団でじっと我慢。スマイルは、残り1ハロンでマイネルスケルツィをかわして先頭に立つとゴールを目指して稍重馬場を突き進む。外から武豊騎乗の1番人気ヒカルオオゾラが急襲すると、二の脚を使ってもうひと伸び。スマイル自身も08年スプリングS以来、約1年5カ月ぶりの勝利を重賞で掴んだ。 「きょうは折り合いだけを意識して乗った。直線も開いている所からすっと抜けられたし、外からユタカさんが来ていたけど、凌ぎ切るだけの自信はありました」。今回のコンビは齊藤四方司オーナーの意向で実現。それまで騎乗していた岩田康誠騎手に特徴を聞くなど事前に研究し、岩田からは「どうせ(新潟に)行くなら勝ってこいや」と激励されていた。 「仕上げは厩舎に全てお任せしていたし、起用してもらった期待に最高の形で応えられたのが嬉しい。きょうは返し馬で感触を掴めた。きょうは100点満点ですね」と完璧な騎乗で掴んだ勝利に笑みが絶えない。 重賞3勝目を挙げた小桧山悟調教師は「能力の高さは新馬の頃からとても高かったが、なかなか結果を出せず、馬に申し訳ない気持ちだった。前走(安田記念9着)後は厩舎で立て直して、きょう最高の形で結果を出せたのは嬉しい」。昨年のダービー2着馬の復活Vを素直に喜んだ。 この後も放牧には出さず厩舎で調整して秋に備える。毎日王冠(10月11日、東京、GII、芝1800メートル)→マイルCS(11月22日、京都、GI、芝1600メートル)と師は今秋の大目標にマイルGIを見据えている。 久々にタイトルを獲得したコーセイ&スマイルが秋競馬を、もっと面白くする。(片岡良典)