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3月は地方で4競走、JRAで1競走のダートグレードが行われる。
先陣を切って1日(水)に川崎競馬場で行われるのが『エンプレス杯』(JpnⅡ、左2100メートル)。古馬牝馬によるスタミナ比べでここ4年はJRA4勝ながら、2着馬は全て地方馬と拮抗(きっこう)している。昨年は重賞初挑戦だったTCK女王盃で2着に好走したショウナンナデシコが逃げ粘るサルサディオーネとレーヌブランシュを最内から一気にかわすと、そのまま1馬身半差押し切って重賞初制覇。ショウナンナデシコはその後、5月のかしわ記念で一線級の牡馬を撃破してJpnⅠのタイトルもゲット。一昨年の覇者マルシュロレーヌはその後、ダートの本場アメリカのブリーダーズカップ・ディスタフで勝利を挙げており、今後に向けた出世レースでもあり、春以降に飛躍を期す熱戦は見逃せない。
高知競馬の大一番『黒船賞』(JpnⅢ、右1400メートル)が14日(火)に行われる。2001年のノボジャックを筆頭に02年のサウスヴィグラスや12~14年セイクリムズンなど名馬が名を連ねる。過去10年でJRA勢が8勝、地方馬は18年のエイシンヴァラーと昨年のイグナイター(ともに園田、新子厩舎)が勝利とつけ入る隙のある一戦。その昨年は、好スタートを切ったラプタスがマイペースの逃げに持ち込むが、4コーナーでいっぱいに。好位の3、4番手を追走していたイグナイターが満を持して追い出されると、抜群の手応えのままヘリオスに1馬身差をつけて押し切った。イグナイターは昨年、黒船賞とかきつばた記念の2つのダートグレードを勝利し、NARグランプリ2022で年度代表馬に選出された。高知競馬における唯一のダートグレードは必見だ。
翌15日には船橋競馬場で『ダイオライト記念』(JpnⅡ、左2400メートル)が行われる。名古屋競馬場の弥富移転に伴い名古屋グランプリは2100メートルで行われ、ダートグレードとしては最長距離の重賞となった。2009年のフリオーソ(船橋)以降、JRA所属馬が12年連続で勝利と圧倒していたが、昨年はノーヴァレンダが勝利。レースは長丁場ながら入りの3ハロンが36秒台とハイラップになったが、その後は13秒台とペースは落ち着く。たまらず2周目の向こう正面でダノンファラオが動いたが、ノーヴァレンダはそこからさらにもうひと伸び。最後まで脚いろが衰えることなくエブリワンブラック(JRA)に2馬身半差をつけてダートグレード2勝目をマークした。3着には前年のJBCクラシックを快勝したミューチャリー(船橋)が入った。6月の帝王賞などを占う意味でも見逃しは厳禁だ。
さらに16日(木)には、名古屋競馬場で『名古屋大賞典』(JpnⅢ、右2000メートル)が行われる。昨年は弥富移転前に行われる最後のダートグレードとして1900メートル戦で実施。レースは兵庫のジンギがレースを引っ張り、断然の1番人気に支持されたクリンチャー(JRA)は行き脚がつかず5番手を追走。向こう正面から、最後の直線の入り口ではジンギと追い上げてきたケイアイパープル(JRA)のマッチレースに思われたが、クリンチャーが猛追すると、ゴール手前でケイアイパープルを捕らえると、これにアタマ差だけつけて連覇を果たした。これでJRA所属馬が19年連続でのVとなった。特に川田将雅騎手は20年から3連覇を達成した。エスポワールシチーやホッコータルマエ、さらにはアウォーディー、ケイティブレイブなどが制した出世レースを制し、今年の飛躍を期すのはどの馬か-。
3月の最終週開催でもある26日(日)にJRA中山競馬場で行われるのが『マーチステークス』(GⅢ、右1800メートル)。今年で節目の30回を迎えるが、ハンデ重賞らしく過去10年で8番人気以下が9頭も馬券圏内に入ってきており、荒れる重賞だ。昨年は2番人気のメイショウハリオがほぼ最後方の14番手追走から、じわじわと位置取りを上げると、最後の直線で上がり36秒5の豪脚を発揮して先に抜け出した12番人気ケンシンコウに半馬身差つけてV。3着はブルベアイリーデとヒストリーメーカーが同着だった。メイショウハリオはその後、平安S(GⅢ)でも3着に好走すると、上半期ダート総決算の帝王賞を制し、一躍ダートのトップに名乗りを上げた。上半期、古馬の中距離路線の勢力図を測るうえでも注目したい。
ダートグレード競走の公式サイトはこちらから。(https://www.keiba.go.jp/dirtgraderace/)