JRAは16日、禁止薬物テオブロミンが混入した飼料添加物「グリーンカル」を摂取した可能性があり、22、23日に出走を予定する全頭の検体採取を行ったことを発表。また、薬物の影響下にある可能性が否定できないことから15、16日に競走除外となった全馬に対し、22、23日の競馬で優先出走権が付与される。
JRAは禁止薬物テオブロミンが混入した飼料添加物「グリーンカル」を摂取した可能性がある東西28厩舎の所属馬のうち、今週22、23日に出走を予定する365頭(栗東291頭、美浦74頭)について15、16日にかけて血液を採取。栃木県の競走馬理化学研究所で検査が行われ、結果は20日の出馬投票までに判明し、陽性の場合は出走できない。23日の
宝塚記念に出走予定の
タツゴウゲキや、
ユニコーンSを競走除外となり清里特別に登録した
サトノギャロスなども検査を受けた。
また、15、16日の競馬において、薬物の影響下にある可能性が否定できないことから競走除外となった全156頭に対し、22、23日の競馬で優先出走権が付与される。権利を行使できるのは同じクラスの競走(競馬場、距離、コースは問わない)に限られ、自ブロック対象競走については、自ブロックが優先される。
前例のない頭数が競走除外となった週末、16日も関係者から様々な反応がみられた。「ヒューマンエラーである以上、起こり得る可能性はあった。内厩制度のもとで競馬を施行しているのだから、飼料などはJRA内部で一括管理するべき」と管理体制の見直しを求める意見や、「(当該サプリメントが)未開封の状態でも除外の対象になった。やりきれない」という悲痛な声もあった。
禁止薬物のテオブロミンがなぜ当該商品に混入したかについて、JRAは製造業者である「日本農産工業」などを対象に調査を進めている。原因究明へむけ、第三者委員会を設置するかも含めて検討されており、全容解明にはまだ時間がかかりそうだ。