第33回
マイルチャンピオンシップ(20日、京都11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝・外1600メートル、1着本賞金1億300万円 =出走18頭)
浜中俊騎乗の3番人気
ミッキーアイルが1分33秒1(良)のタイムで逃げ切り勝ち。2014年
NHKマイルC以来、2年6カ月ぶりとなるGI2勝目を挙げた。2着は2番人気の
イスラボニータ、3着は7番人気の
ネオリアリズムだった。なお、浜中騎手は他馬の進路を妨害したため、開催日8日間の騎乗停止処分となった。
頭上の曇り空が笑顔なきGI勝利を象徴しているようだった。
ミッキーアイルが自慢の快速で2度目のビッグタイトル奪取に成功。ただ、手綱をとった浜中騎手は下馬した後も、表情をこわばらせたまま。最後の直線で他馬の進路を妨害した事実が、鞍上の笑みを奪い去っていた。
「
ミッキーアイルは一生懸命に走ってくれましたが外へ斜行したことで、大変な迷惑をかけました。自分の責任です。気持ちのいいレースにはなりませんでした。
ミッキーアイルは悪くない」
スタートを決めて、マイペースの逃げに持ち込んだ。軽快にラップを刻み、余力を残してホームストレッチの攻防へ。ゴール手前で右ステッキが飛ぶと、外側によれて
ネオリアリズムを押し出す形になり、結果、後続の進路を妨害。勝つには勝ったが、浜中騎手が26日から12月18日まで開催日8日間の騎乗停止処分になり、後味の悪いものとなった。
「他馬に迷惑をかけて申し訳ない」と音無調教師も頭を下げる。それでも、3歳の
NHKマイルC以来となるGI2勝目で、
マイルCSの逃げ切りは1991年
ダイタクヘリオス以来史上2頭目。また、3歳マイル王者の古馬マイルGI制覇は史上初の快挙だ。
「馬体があわさってから、もうひと伸びしてくれましたね。よく踏ん張ってくれました」と鞍上がねぎらう。トレーナーも「(ラップ的に)ちょうどいい前半の入りができました。きょうはしぶとかったですね」と愛馬をたたえた。
この後は阪神C(12月24日、阪神、GII、芝1400メートル)が視野に入るが、このまま休養の可能性も。「1600メートルのGIだけでなく、1200メートルのGIも勝てる馬にしたいですね。あきらめずに挑戦していきたい」と音無調教師はスプリント、マイルの“2階級制覇”を目指す。来年の大舞台では、すっきりとした形で結果を残す。 (宇恵英志)
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