第5回
ヴィクトリアマイル(16日、東京11R、GI、4歳上牝馬オープン国際、定量、芝1600メートル、1着本賞金9000万円=出走18頭)1着から7着までコンマ1秒差にひしめく大接戦。生産馬がワンツーだというのに瞬時目をつむったのはノーザンファーム代表の吉田勝己さん(61)だった。
「アマランサスの踏ん張りには驚かされたが、やはり主役は
ブエナビスタ。見ていて冷や冷やもの。ゴールに飛び込んだ時、負けたと思ったもの」。子息の俊介さん(サンデーレーシング代表)の代理で表彰台に上がったが、その前、松田博師に「やはりああいう競馬(直線勝負)が合っているんですかね」と笑いながら問いかける場面も。「どんな状況、場面でも答えを出す。精神的にこれだけ凄い牝馬はいないでしょう」と吉田さんは愛馬を称えた。
この思いは秋田博章場長も同じだ。ドバイからの帰国検疫を挟んで1カ月半。完璧な状態ではなく、実際、歩様の硬さを確認したそうだが、それでも勝ったことに「底力があると言うこと。頭が下がります」と強さに脱帽だ。「(一般論として牡馬より)購買価格が低い牝馬がこれだけ活躍しているのは(厳しい状況下にある)生産界にとって良いことでは」と加えた。1歳の妹(父
ディープインパクト)は募集価格7000万円で、サンデーレーシング名義で走ることが決定。当歳はおらず、母馬
ビワハイジは14日に
ゼンノロブロイと交配している。(水戸正晴)