今週の京都日曜メーンは第56回
日経新春杯(GII、芝2400メートル)。天皇賞・春(5月3日、京都、GI、芝3200メートル)ロードの始まりで、
有馬記念2着馬
アドマイヤモナークの連覇がかかる一戦だが、これにストップをかけようというのが
ナムラマースだ。脚部不安で不振が続いた実力馬が、前走・
鳴尾記念で2着と復活気配。一昨年3月の
毎日杯以来となる久々の勝利も夢ではない。
かつての輝きが
ナムラマースに戻ってきた。前走の
鳴尾記念。
サクラメガワンダーには及ばなかったが、メンバー最速となる上がり3ハロン35秒5の末脚で2着。最後方追走から大外を通って伸びた内容は、09年に向けて明るい光を灯した。
「よく走ってくれました。(
福島記念を)除外で2週延びたが、調教も加減なくやったからね。ラストのしっかりしているのが持ち味。それを見せてくれた」
福島信調教師は前走を振り返って満足げにうなずく。昨年は僅か3戦、右前屈腱炎で10カ月ぶりとなった
金鯱賞は15着。ただ、当時は脚元を気にしていたため「調教を加減したので、体も重かったな」という。
その後、夏場に再び放牧。元々、屈腱炎の程度が軽かった事情もあるが、この休養が功を奏し、復活への道を辿る。「休養だけで治った。脚元がどうもなくなり、普通に調教もできるようになった」とトレーナー。秋の2走は(5)(2)着。まさに陣営の祈りが通じたか…。
体調さえ戻れば、能力的にGII戦なら上位。2歳時に5戦目で未勝利を勝ち上がるとオープンのコスモス賞、GIII
札幌2歳Sと3連勝してブレイク。3歳時にはGIII
きさらぎ賞2着の後にGIII
毎日杯を勝ってGI
皐月賞(11着)、GIダービー(8着)に駒を進めた好素材だ。
「距離は延びても気にしていない。掛かって行く馬じゃないし、2400メートルはダービーで走っているしね」とトレーナー。8日の1週前追い切りではDWコースを単走で6ハロン82秒4(ラスト12秒2)。外めをびっしり追われ、力強い動きで好調をアピールした。
長く使える末脚は直線の長い外回りも合う。ハンデの56キロは、前走と同じ斤量で妥当なところ。蘇った実力馬が、約1年10カ月ぶりのVを視界に入れた。(森本昭夫)