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【JBCクラシック】テーオーケインズが復活の勝利 松山騎手「もう一度勝つ姿を見せることができて良かった」


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【JBCクラシック】テーオーケインズが復活の勝利 松山騎手「もう一度勝つ姿を見せることができて良かった」

静かな山間の夜が熱気に包まれた。晩秋の冷たい雨をはじき飛ばすように、栗毛の馬体が力強くグングンと加速していく。これぞ砂の帝王の走りだ。単勝1・5倍で4着に沈んだ失意の帝王賞から4カ月。テーオーケインズがみちのく路で高らかに復活を告げた。

「自分から動いても最後までいい脚を使ってくれました。向こう正面で上がっていったときに反応があったので『きょうは大丈夫』と。もう一度勝つ姿を見せることができてよかった。強い馬です」

松山騎手はいつも通りの穏やかな口調の中に喜びをにじませた。外枠から抜群のスタートを切り、馬と呼吸を合わせながらじっくりと中団に待機。スローペースを見越して3コーナー手前から進出を開始すると、他馬とは勢いがまるで違った。逃げ粘るクラウンプライドを残り100メートルでかわすと、2馬身半差をつけてGⅠ3勝目のゴールに飛び込んだ。

「正直、前走のことがあったのでホッとしました。前に逃げ切られないか、調教通りに伸びてくれるか…。見ている方はハラハラでした」

高柳大調教師は苦笑まじりに振り返ったが、これで国内の左回りダートでは【5・0・1・0】と無類の強さだ。次走はもちろん、昨年衝撃の6馬身差Vを飾ったチャンピオンズC(12月4日、中京、GⅠ、ダ1800メートル)。2010、11年トランセンド以来、史上2頭目の連覇を狙う。

「次走のチャンピオンズCを目指していたので、今回もきっちり仕上げたというイメージではありませんでした。まだ良くなってくると思います」と指揮官がさらなる上積みを示唆すれば、鞍上も「前走後にリフレッシュしていい状態で戻ってきてくれた。これからが楽しみです」と声を弾ませた。2年連続でのJRA最優秀ダートホースを目指し、テーオーケインズがふたたび覇道を突き進んでいく。

■テーオーケインズ 父シニスターミニスター、母マキシムカフェ、母の父マンハッタンカフェ。栗毛の牡5歳。栗東・高柳大輔厩舎所属。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産馬で、馬主は小笹公也氏。戦績19戦10勝(うち地方5戦2勝、海外1戦0勝)。獲得賞金4億9569万7000円(うち地方1億8600万円、海外4601万3000円)。重賞は2021年GⅢアンタレスS、JpnⅠ帝王賞、GⅠチャンピオンズC、22年GⅢ平安Sに次ぐ5勝目。JBCクラシックは高柳大輔調教師、松山弘平騎手ともに初勝利。馬名の意味は「冠名+人名より」。

■JBCアラカルト

◆JBC売り上げ…JBC各レースの売り上げはクラシックが25億514万3000円で、金沢開催だった昨年を104・3%と上回った。スプリントは19億5177万1300円で同128%。レディスクラシックは14億7465万5100円で同132・9%。門別の2歳優駿は9億4624万3600円で同97・5%だった。

◆来年のJBC…2023年のJBCも11月3日(祝・金)に行われることが決定した。クラシック、スプリント、レディスクラシックは大井、2歳優駿は門別で実施される。

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