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【南関散歩道】ラヴァリーフリッグ~マリーンC制した名馬

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【南関散歩道】ラヴァリーフリッグ~マリーンC制した名馬

 のちに振り返ると、本来はもっと評価されていいはずの馬というのが、少なからず存在する。同時代に目立つライバルがいたゆえに、どこか陰に隠れたような印象でも、成績をひとつひとつ洗い出していくと、当時の印象以上のインパクトを受ける。2003年のマリーンCを制したラヴァリーフリッグ(牝、1999年生まれ)も、そんな1頭だ。

 「入厩してすぐに、石崎(隆之)騎手が『すごいのが来た』と言ったくらい。完成度が高く、無駄なことをしない優等生でした」

 そう言って柔らかな笑みを浮かべた出川克己調教師(66)。ラヴァリーフリッグはホッカイドウでデビューし、船橋に転入すると、東京2歳優駿牝馬を勝利。3歳を迎えると、当時3月開催のローレル賞を皮切りに桜花賞、ひまわり賞(水沢)など、この1年で重賞5勝をマークした。

 マリーンCを制したのは、その翌年。JRAから前年のクイーン賞を制したビーポジティブなどが参戦したほか、地元勢ものちの帝王賞馬ネームヴァリュー、前走でエンプレス杯を勝利したジーナフォンテンなど、ハイレベルなメンバーが顔をそろえた。

 それでもラヴァリーフリッグは横綱相撲を見せた。エスサガミが逃げる縦長の展開を、3番手の外で追走。3コーナーで早めに先頭に立つと、まくり気味に上がってきたジーナフォンテンを半馬身差で封じた。有力どころが中団に構えるなか、強気な競馬を演じて押し切った石崎隆之騎手の手綱さばきも光った。

 「牝馬のレベルが高かったころですが、相手関係は気にならなかったし、交流だからと意気込むこともなかったです」。人間がイレ込んでしまうと、それが馬に伝わるというのは、よく聞く話。アブクマポーロで多くのタイトルを手にした厩舎の経験が、圧巻の走りにつながったのだろう。

 その後はタイトルを手にできなかったが、かしわ記念でスターリングローズの2着に食い込むなど、牡馬を相手に好勝負を演じた。「重賞を勝った管理馬はほかにもいるけど、名馬のなかでも“目立って名馬”。もっと評価されていい馬だと思います」。別の時代だったら、と思わずにはいられないが、ハイレベルななかで結果を残してきたラヴァリーフリッグは、まぎれもなく名馬。その走りを長く心にとどめたい。(大貫)

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