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【兵庫ジュニアGP】レース展望


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【兵庫ジュニアGP】レース展望

 11月27日(水)に園田競馬場で、2歳馬の交流重賞・第21回兵庫ジュニアグランプリ(交流GII、2歳オープン、定量、ダート・右1400メートル)が行われる。



 過去の勝ち馬の中には、プライドキム(04年)やラブミーチャン(09年)など、この一戦を勝利した勢いのままに年末の全日本2歳優駿(交流GI)を制した馬がおり、スーニ(08年)やニシケンモノノフ(13年)など明け3歳以降にGIタイトルを獲得した馬もいる。今後の飛躍が期待される素質馬が集う注目の“出世レース”を展望していきたい。



メイショウテンスイが無傷3連勝での重賞V狙う



 第1回(99年、アドマイヤタッチ)、第3回(01年、ミスイロンデル)、第4回(02年、エースインザレース)と、創設当初は毎年のようにこのレースを勝利していた元祖“兵庫ジュニアグランプリ男”武豊騎手が、デビュー2連勝中のメイショウテンスイ(牡、栗東・南井克巳厩舎)と新コンビを結成して17年ぶりのVを狙う。



 いずれも東京コースで行われた新馬→オキザリス賞を連勝しているだけに、右回りの小回りコースと大きく条件が変わる園田への対応がカギとなるが、先行力がある上に南井師も常々「センスのいい馬」と語っているだけに、むしろ条件変わりがプラスに働く可能性がありそう。



 初騎乗となる武豊騎手とも、意欲的に3頭併せを敢行した20日の追い切りでコンタクトを取っているだけに、無傷3連勝での重賞Vに向けて万全の態勢が整ったと言って良さそうだ。



★JRA勢で唯一の牝馬・ファシネートゼットもデビュー2連勝中



 「デビュー2連勝」「武豊騎手と新コンビ結成」というキラーワードが並んでいるだけに、どうしてもメイショウテンスイに大きな注目が集まりそうだが、JRA勢で唯一の牝馬・ファシネートゼット(牝、栗東・平田修厩舎)も、デビューから松若風馬騎手とコンビを組んで無傷の2連勝と底を見せていない。



 相手が一気に強化されるだけに、力関係は走ってみないとわからない部分もあるが、新馬戦から今回と同じ1400m戦を選択して使ってきただけに、初体験となる地方の馬場とはいえスンナリと自分の走りを見せることができる可能性は高そう。



 3戦連続での騎乗となる松若騎手は、デビュー戦の勝利後「まだ子供っぽいところは残っていますけれど、馬混みでもレースができましたし、抜け出してからもまだ余裕がありました」と語っていたものの、2連勝時には「初戦よりは幼さが解消していました」と語り、実戦を経験したことで着実に良化しているパートナーの様子を感じ取っている様子。



 過去20回で牝馬の勝利はミスイロンデル(01年、第3回)、ラブミーチャン(09年、第11回)、リアライズノユメ(10年、第12回)の3例しかないが、9年ぶりの「牝馬による制覇」があるか注目したいところだ。

★豊富なキャリアを生かして逆転を狙うテイエムサウスダン



 JRA勢で上位人気争いに顔を出すのは牡・牝の2戦2勝馬になりそうだが、ここにきて未勝利戦→なでしこ賞を連勝と、実戦経験を積みつつ結果を出してきたテイエムサウスダン(牡、栗東・飯田雄三厩舎)が、注目2頭より多い“4戦”のキャリアを生かして逆転を狙っている。



 前走で初コンビを組んだM.デムーロ騎手も「スピードとスタミナを兼備しているし、前走の時計からも速い馬場でも対応できると思っていました。思った通りに伸びたし、強い内容でした」と、能力の高さを感じた様子。



 20日の追い切りでは自ら跨って感触を確かめており、態勢は整った。これまで稍重、重馬場でしか走っておらず、力の要る馬場状態への適性は未知の領域だけに、ひと雨欲しいところだ。



★兵庫のエキサイターが地元所属馬による初Vを目指す



 1999年に創設され、20年の歴史を誇る兵庫ジュニアグランプリ。過去20頭の勝ち馬を見ると、JRA所属馬が16勝と大半を占めるなかで北海道所属馬が2勝、浦和・笠松所属馬が各1勝を挙げている。



 これまで兵庫所属馬は勝利を挙げたことがないが、今年の大将格と言って良さそうなエキサイター(牡、兵庫・長南和宏厩舎)には、地元に初栄冠をもたらす可能性があるのでは?と感じずにはいられない。



 今年のゴールデンウイーク(5月8日)にデビューし7戦5勝の実績を残しているが、敗れた2戦はいずれもJRAに遠征して芝のレースに参戦してのもの。前走のデイリー杯2歳S(GII)では見せ場なくブービーの10着に敗れているが、3走前の野路菊S(オープン特別)では5頭立てだったとはいえ3着と見せ場を作っている。



 ホームの園田では5戦5勝と底を見せておらず、重賞初Vを果たした兵庫若駒賞も、地元の有力馬を相手にしながら2着以下に3馬身差をつける圧勝を果たしている。ここまで対JRA勢という点では分が悪いが、得意とする地元のダート戦ならもっとやれていい。



 地元の名手・下原理騎手とのコンビで挑むステラモナーク(牝、兵庫・新子雅司厩舎)も、デビューから1、3、2着と底を見せていない。ホッカイドウ競馬所属馬や南関東勢とは、すでに互角に走れることを証明しているだけに、地元の利を生かして逆転を果たすシーンもありそうだ。



★交流重賞で2着好走の実績が光るアザワク



 モエレソーブラッズ(05年、第7回)、ローズジュレップ(16年、第18回)と、2頭の兵庫ジュニアグランプリ勝ち馬を輩出しているホッカイドウ競馬からは、10月10日に行われた牝馬の交流重賞・エーデルワイス賞(交流GIII)で勝ち馬から1/2馬身差の2着に好走した実績が光るアザワク(牝、北海道・角川秀樹厩舎)が登場する。



 デビュー以来1000~1200m戦しか経験していない上に、北海道内(門別、函館)でしか走ったことがなく、長距離輸送や初距離の克服など課題は多いが、このメンバーに入っても能力は通用してよさそう。



 ホッカイドウ競馬からもう一頭、スティールペガサス(牡、北海道・角川秀樹厩舎)も出走する。地元では実績上位ながら、重賞の舞台となると最良の結果が出ていないのが現状だが、2頭ともに主戦を務めてきた桑村真明騎手がこちらに騎乗するのは、なんとも不気味だ。

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