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【東京盃】JRA女性騎手初!菜七子、重賞初V「すごくほっとした」


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【東京盃】JRA女性騎手初!菜七子、重賞初V「すごくほっとした」

 第53回東京盃(2日、大井11R、指定交流、GIIJPN、サラ3歳上、選定馬、別定、ダ右1200メートル、1着賞金3500万円、晴れ、良 =出走15頭)

菜七子やった! JRA唯一の女性ジョッキー、藤田菜七子騎手(22)=美浦・根本康広厩舎所属=が2日、東京盃コパノキッキングに騎乗して1着となり、中央・地方を通じて重賞初制覇を達成。JRA女性騎手として史上初の快挙となった。次に目指すのは、重賞レースの最高峰GI。この勝利でキッキングとのコンビで、JBCスプリント(11月4日、浦和、交流GI、ダート1400メートル)に挑戦するプランが持ち上がった。

 真夏のような熱気が、夜の大井で巻き起こった。中心にいたのは藤田菜七子騎手。コパノキッキングで4馬身差の逃げ切りVを飾り、中央、地方合わせて24度目の重賞挑戦でついに分厚い扉をこじあけた。JRAの女性騎手で重賞初制覇だ。

 「すごくほっとした気持ちが大きいですし、勝ててとてもうれしい。頑張ってくれたコパノキッキングに、ありがとうといいたいです。大井の直線(386メートル)がこんなに長く感じたのは初めてです」

 中央・地方ともに、全てのレースの中で重要な位置づけにあるのが重賞レース。その初めてのお立ち台。“コパノ”の勝負服を模した黄と赤のリボンで髪を留めた菜七子は、りりしく堂々と喜びを語った。表彰式に向かう際、師匠の根本康広調教師がファンエリアから人垣を分けてサプライズ登場すると、満面の笑みで握手を交わした。

 これまでパートナーに3度騎乗した菜七子が感じたのは、どんな競馬でもできる。だからこそ「最後までどう乗ろうか迷っていました」と心境を明かしたが、またがった瞬間に迷いは消えた。「すごく状態が良かった。これならゲートも出てくれるだろうと。出たら逃げようと」。追い込みの印象が強かった馬で鮮やかに逃げ切った。

 デビュー4年目の菜七子は多くの大舞台を経験して急成長している。2月のフェブラリーSでGI初騎乗。6月末にはスウェーデンで開催された『ウィメンズジョッキーズワールドカップ』(全5戦)で海外初勝利を含む2勝を挙げて優勝した。

 その後は8月に英国の『シャーガーカップ』、札幌の『ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)』と世界の一流騎手が集うシリーズに立て続けに出場。WASJデーでは目標とするニュージーランドの女性騎手リサ・オールプレスの前で一般レースを勝ち、憧れの存在から「うまく乗っていた。今では成功した女性騎手」と認められた。

 そんな菜七子に、コパノキッキングのオーナー、風水研究家のDr.コパこと小林祥晃氏がふさわしいステージを用意することになりそうだ。「JBCに行っちゃおうかな」。今回の勝ちっぷりを見て、予定になかった交流GI・JBCスプリント挑戦プランをほのめかした。

 「ひと鞍ひと鞍大事に、次の1勝を目指していきたい」

 信念がこもった言葉で締めくくった菜七子。次はGI制覇という新たな勲章を-。ジョッキーの階段を猛スピードで駆け上がる。 (板津雄志)

 ◆師匠の根本康広調教師 「今は自信を持って乗れていると思う。とにかく乗せていただいたオーナー、調教師、スタッフに感謝ですね。菜七子にはこれからもその期待に応えられるように頑張ってほしい」

★重賞

 特別競走の中でも特に賞金が高額で、重要な意義をもったレース。賞金や歴史と伝統・競走内容などにより格付けされている。中央競馬では大きな順にG(グレード)I、GII、GIIIとランク付けされている。

藤田 菜七子(ふじた・ななこ) 1997(平成9)年8月9日生まれ、22歳。茨城県出身。美浦・根本康広厩舎所属。競馬学校騎手課程第32期生として入学し、2016年3月にJRAの女性騎手では16年ぶりとなるデビューを果たす。同4月10日に福島9Rのサニーデイズで初勝利。18年8月25日にはJRA女性騎手の最多記録を塗り替える通算35勝目を挙げた。特技は空手(初段)、剣道(二段)。趣味は音楽鑑賞、読書、睡眠。好きな食べ物は肉。座右の銘は『日進月歩』。身長157センチ、体重45キロ。血液型A。

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