ゼット1号
蒼馬久一郎
とぅっけ
霧
エース1号
第20回エルムステークス(16日、札幌11R、GIII、3歳上オープン国際(指)、別定、ダ1700メートル、1着本賞金3500万円=出走13頭)2番人気のジェベルムーサが、得意のまくりを決めて重賞初勝利。岩田康誠騎手は昨年のローマンレジェンドに続く連覇(通算4勝目)で、JRAの重賞レースで騎乗機会5連勝を達成した。タイム1分43秒0(稍重)。クビ差の2着に5番人気のグレープブランデー、さらに1馬身1/4差の3着に7番人気のエーシンモアオバーが入り、1番人気のクリノスターオーは4着だった。 名手の勢いは止まらない。ジェベルムーサを重賞初勝利に導き、JRA重賞で騎乗機会5連勝を達成。ノリノリの岩田騎手は胸を張った。 「前半のペースが遅くて、3、4コーナーで外を回りたくなかった。ちょっと(仕掛けが)早かったけど、よく勝ってくれた」 手綱さばきがさえわたる。行き脚がつかず、序盤は後方3番手。だが、鞍上はスローペースを察知し、残り1000メートルで進出を開始した。スタンドがどよめく中、先団に取りつくと、4コーナー手前で先頭へ。GI馬グレープブランデーの猛追をクビ差でしのいだ。 鞍上は火曜に関西から函館入り。水曜朝、函館競馬場でジェベルの追い切りに乗ってから盛岡へ移動し、交流GIIIクラスターC(ルベーゼドランジェ10着)に騎乗。木曜は北海道に戻り、門別で交流GIIIブリーダーズゴールドC(サンビスタ2着)に乗った。そんな多忙な1週間を、きっちりと勝利で締めくくった。 今年2月に喉を手術したジェベルにとって、明るい未来を切り開く初タイトル。大竹調教師は「前走(マリーンS3着)後に牧場でケアしてもらい、超回復した。秋は大きいところを狙いたい」と力を込めた。 1984年のグレード制導入以降、ジョッキーの重賞連勝記録は、98年に武豊騎手がマークした6連勝。岩田騎手は今週末、函館記念を勝ったダービーフィズで札幌記念に参戦する。 「いい馬に乗せてもらっているんで、確実に勝ちたいと思っています」 レジェンドの記録に挑む勝負師は、表情を引き締めた。 (川端亮平)★16日札幌11R「エルムS」の着順&払戻金はこちら★最長は6連勝 JRAで重賞騎乗機会での連勝記録は、武豊騎手の6連勝。1998年にローズS(ファレノプシス)→セントウルS(マイネルラヴ)→毎日王冠(サイレンススズカ)→京都新聞杯(スペシャルウィーク)→デイリー杯3歳S(エイシンキャメロン)→秋華賞(ファレノプシス)で達成した。5連勝は岩田騎手の他に河内騎手(86年)、武豊騎手(97年)、小坂騎手(2006年)がいる。ジェベルムーサ 父アグネスタキオン、母アビラ、母の父ロックオブジブラルタル。鹿毛の牡5歳。美浦・大竹正博厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績15戦7勝。獲得賞金1億5896万2000円。重賞初勝利。エルムSは大竹正博調教師は初勝利。岩田康誠騎手は2008年フェラーリピサ、12&14年ローマンレジェンドに次いで4勝目。馬名の意味は「ジブラルタルロックの反対の岬にある山名。母名より連想」。