山口吉野
霧
岡村信将
きいいろ
第5回みやこステークス(9日、京都11R、GIII、3歳上オープン国際(指)、別定、ダ1800メートル、1着本賞金3700万円、1着馬にチャンピオンズCへの優先出走権 =出走16頭)大野拓弥騎乗の2番人気インカンテーションが、メンバー最速の上がり3ハロン36秒0の末脚で差し切りV。連勝を「3」に伸ばすとともに、ダート王を決めるチャンピオンズC(12月7日、中京、GI、ダ1800メートル)の優先出走権を獲得した。半馬身差の2着に9番人気のランウェイワルツが入り、1番人気のクリノスターオーは5着に終わった。 インカンテーションが力強い末脚を見せ、ハナ差2着に敗れた昨年のリベンジを果たした。大野騎手は満足げだ。 「思ったほど(前に)行けなかったけど、こういう競馬を試したいと思っていました。レースに幅が出たし、収穫がありました」 ダッシュが利かなかったが、中団で流れに乗り、豪快に突き抜けた。これまで勝ったレースは4コーナーですべて2~3番手以内だったが、この日は8~9番手。いつもと違う形での勝利だ。 羽月調教師は「枠((14)番)の不利もはね返してくれて、頭が下がる思いです。自分の仕事が分かっているし、体もしっかりしています。去年までとは全然違います」と目を細める。 破竹の3連勝で、昨年のレパードSに次ぐ重賞2勝目。GIチャンピオンズC(旧ジャパンカップダート)の切符を手に入れた。開催地は中京。全7勝中5勝を、その中京と新潟で挙げている左回り巧者にとって、願ってもない舞台だ。 「(中京は)ウエルカム。昨年(ジャパンカップダート14着)は当たって砕けろの気持ちでしたが、今年は期待を持っていけます」とトレーナー。大野騎手も「差す競馬ができたし、展開に応じて競馬ができそう。GIもこの勢いでいきたい」と期待を込める。 上昇一途の4歳馬。勢いは止まらない。 (鈴木康之)